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赤外線センサ原理

赤外線とは?

赤外線は可視光線の赤色より波長が長く、電波より波長の短い電磁波のことです。

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黒体輻射(放射)

すべての物体は温度に応じたエネルギーを放射しています。物体の中ですべての波長の光を、まったく反射も透過もしない物体を黒体(または、完全黒体)と呼び、黒体が熱エネルギーを放射することを黒体輻射(放射)と呼びます。この放射は、物体の絶対温度に依存しており、プランクの法則に基づいています 。

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分光放射輝度を全波長領域で積分したエネルギー(黒体から放射される全エネルギー量)は温度依存性が大きく、温度の4乘に比例しています。これをステファン・ボルツマンの法則といいます。

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放射率

物体の表面から赤外エネルギーを放射させる度合いを数値化したもの。鏡面体の放射率は「0」、完全黒体の放射率は「1」となります。全ての物体の放射率は0~1の間になります。

サーモパイルとは

サーモパイル(熱電堆)は、複数の熱電対を直列あるいは並列に接続したもので、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する電気部品です。
絶対温度を測定するものではなく、局所的な温度差、あるいは温度勾配に比例した電圧を出力します。
測定対象物から放射される赤外線の放射エネルギーを熱吸収膜が吸収し、熱吸収膜下のサーモパイルが熱起電力を発生します。これをゼーベック効果といいます。
熱起電力と基準温度から、測定物の温度を換算する事が出来ます。

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ゼーベック効果とは

異なった金属でできた2本の導線が両端で接合された状態で、その両端に温度差があると、熱電気回路に電流が流れます。この現象がゼーベック効果とよばれ熱電効果の一つです。この起電力の特性を示す係数をゼーベック係数と呼びます。
この回路に電流を起こさせる電力を熱起電力と呼び、その極性と大きさは2種類の導体の材質と、両端の温度差(ΔT)のみによって定まることが確認されています。ここで導体の太さや長さ、両端部以外の温度は無関係となることがわかっています。

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赤外線センサでできること

天井に設置した赤外線センサ(8x8画素)で複数の人間の検知が可能

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赤外線センサの応用例

アプリケーション

例1. オーブンレンジ

  • 8X8画素の赤外線センサモジュール面で温度分布を測定
  • 食品の表面温度をモニターし、自動調理、温め機能などに応用
    温度データに基づき、加熱時間や強さを調整
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例2. レンジフード

  • 8X8画素の赤外線センサモジュールにより調理物の温度を検知
  • 自動的に換気風量を切り替えて省エネを実現可能
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例3. ビル管理システム(BEMS)
BEMS:Building and Energy Management System

  • 8X8画素等の多ビット構成の赤外線センサモジュールを天井に設置
  • 人の居場所や動きを検知して、電気の消灯/点灯、空調制御などを自動で制御

赤外線センサにより暗闇でも人を検知

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人の在/不在を検知

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人の有無、気温等からの最適な運転

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